不安なときにASMRは効く?心が落ち着く仕組みを研究から解説
囁きやタッピングで、不安でざわつく頭は本当に静まるのでしょうか。ASMRと不安に関する研究結果、効く理由、緊張しているときの使い方をまとめました。
著者 Kurt Woleret

私がASMRに出会ったときの姿勢は、たいていのウェルネス・トレンドに対するものと同じでした。腕を組み、片眉を上げて。何百万人もの人が、誰かがマイクに囁いてタオルを畳むのを眺めている。インターネットはついにコンテンツが尽きたのだな、と思っていました。ところが締め切り週が私に牙をむきました。通勤電車の中で頭の中の口論をリハーサルし、肩は耳のあたりまで上がり、深夜1時に天井を見つめる。不安のフルコースです。友人がタッピング動画を送ってきました。添えられた一言は「だまされたと思って」。だまされたくはありませんでした。でも観ました。15分後、数日ぶりに顎の力が抜けていることに気づいたのです。というわけで、きちんと検証しましょう。ASMRは本当に不安に効くのか。それとも、ヘアブラシを叩く見知らぬ人にプラセボを盛られただけなのか。
不安が体に起こしていること
まず仕組みを手短に。ここが大事だからです。不安は心配な考えだけではありません。体の状態です。脅威システムが厳戒態勢に傾く。心拍数が上がり、筋肉がこわばり、呼吸が浅くなり、注意は問題探しのスキャンを始めます。問題が火事なら役立ちますが、問題がメール1通なら役に立ちません。しかも不安のループは自給自足です。体の警報状態が「何かおかしい」と脳を説得し、それが警報を鳴らし続ける。その瞬間に本当に不安へ効くものは、このループをどこかで断ち切る必要があります。体のスピードを落とすか、スキャンし続ける注意に安全な着地点を与えるか。この2つの仕事を覚えておいてください。ASMRは、実はその両方に応募してくるのです。
エビデンスは実際どうなのか
鍵になるのは、ポエリオらが2018年にPLOS ONEに発表した研究です。2つの実験のうち、面白いのは2つ目。参加者が実験室でASMR動画を観ている間、生理指標が記録されました。ASMRを感じる人たちは視聴中に心拍数が有意に低下し、その幅は毎分3拍ほど。同時に、落ち着きや人とのつながりの感覚が高まりました。参考までに、この心拍数の低下は、確立されたリラクセーション法で報告される効果と同じ水準にあります。「なんとなく気持ちよかった」という感想ではありません。体が、測定できるレベルで、減速したのです。
ここで懐疑派としての注意書きを。自分に約束したので。落ち着きの生理反応が出たのは、ASMRを感じる人たちでした。同じ動画を観た非反応者には、同じ低下は見られませんでした。ASMR研究はまだ若く、サンプルは自己選択したファンであることが多く、ゾクゾク動画が不安障害を治療するとまともな研究者は誰も主張していません。エビデンスが支持するのは、もっと狭くて、それでも有用なことです。かなりの割合の人にとって、ASMRコンテンツは本物の、測定可能なリラックス反応を安定して引き起こす。これはゼロではありません。道具です。
心拍数の低下は雰囲気ではなく、測定された事実でした。反応する人にとって、ASMRは本物の生理的スイッチを切り替えます。
効く理由に神秘はいらない
説明に特別な理論は必要ありません。ASMRコンテンツの中身を見てみましょう。穏やかな人が、急がず、個人的な関心をあなたに向けてくれる。音はやわらかく、リズミカルで、完全に予測可能。突然のものも、要求してくるものも、評価すべきものも何もない。この特徴のひとつひとつが、脅威の合図の正反対です。ゆっくりで予測可能な刺激は、神経系にその母語で「何も起きていないし、これからも起きない」と伝えます。同時に、やさしい音はスキャンし続ける注意に、リスクのない安全な錨を与えます。窓を打つ雨が効くのと同じ理屈です。ASMRは、いわば設計された雨。注意はタッピングへ向かい、体は静けさを読み取り、ループは燃料を失うのです。
ゾクゾクしなくても、締め出されてはいません
囁き動画をひとつ試して、軽い気まずさ以外何も感じず、ASMRは自分に向いていないと結論づける人は多いです。2つ言わせてください。まず、ゾクゾクは本質ではありません。頭皮のシュワシュワなしにリラックスだけを得る人は大勢いて、不安に対して意味を持つのは落ち着きの方です。次に、ASMRは巨大なメニューで、囁きはその一品にすぎません。声が親密すぎると感じるなら、タッピング、ページをめくる音、雨、パチパチという音、そして映像系の一群があります。スライムが押しつぶされ、テクスチャが折り重なり、ゆっくりと満足感のあるループが続く。その映像のレーンこそFeelsyの住処で、話す人間がひとつ余計な刺激に感じる日に私が手を伸ばす場所です。やわらかな音とゆっくりした質感だけ。キャラクターも、筋書きもなし。不安な脳には見るものが与えられ、残りの私は警戒を解いてよくなるのです。
ASMRにできないこと
懐疑派のライセンスは更新しておきます。ASMRは状態を変えるものであって、人生を変えるものではありません。不安な体をその場でシフトダウンさせられるのは価値がありますが、不安の原因そのものには触れません。ストレス源が仕事や人間関係、未治療の不安障害なら、20分のタッピングは圧力弁であって修理ではありません。知っておきたい耐性の話もあります。毎晩まったく同じ動画に頼ると反応が鈍ることがあるので、反応する人はひとつのクリップを擦り切れるまで再生するより、トリガーをローテーションする方がうまくいきます。熱いシャワーと同じ使い方をしてください。確実に気持ちよく、本当に助けになる。でもボイラーの修理の代わりにはなりません。
張り詰めた夜の実践メモ
元懐疑派からの実用メモです。できればヘッドホンを。音の空間的な質が仕事の一部を引き受けてくれます。音量は低く、自然に感じるより低めに。注意には身構えるのではなく、耳を澄ましてほしいからです。最高の意味で退屈なコンテンツを選びましょう。カット割りなし、おしゃべりが気になるならおしゃべりなし。90秒ではなく10分与えてください。反応は積み上がっていくものです。そして組み合わせを。観ながら吐く息をゆっくりにするか、先にFeelsyの4-7-8呼吸エクササイズをやってから、オートプレイモードに引き継ぐ。呼吸は体を内側から減速させ、ASMRは注意を外側から占有する。両方で不安のループを挟み撃ちにするのです。最後に変わらぬ注意書きを。不安がほとんど毎日、生活を支配しているなら、それはプレイリストではなく専門家の仕事です。ASMRは音量を下げるための道具。良い道具です。でも、道具箱のすべてではありません。
Feelsyはウェルネスのためのプロダクトであり、医療上のアドバイスではありません。ストレスや不安、睡眠の問題が続く場合は、専門家に相談してください。
参考文献
- Poerio, G. L., Blakey, E., Hostler, T. J., & Veltri, T. (2018). More than a feeling: Autonomous sensory meridian response (ASMR) is characterized by reliable changes in affect and physiology. PLOS ONE, 13(6), e0196645.
よくある質問
ASMRは不安に本当に効きますか?
多くの人にとって、測定可能なかたちで効くようです。2018年にPLOS ONEに掲載された研究では、ASMRを感じる人がASMR動画を観ている間、心拍数が毎分3拍ほど有意に低下し、落ち着きの感覚が高まりました。不安障害の治療ではありませんが、不安でこわばった体をその場で鎮める手段としては、心強いエビデンスです。
なぜASMRを聴くと落ち着くのですか?
ASMRコンテンツは、やわらかくゆっくりで予測可能な刺激でできています。穏やかな音、急がない関心、突然のものや要求してくるものが何もない状態。これは脅威の合図の正反対なので、神経系はそれを安全と読み取ります。同時に、音や映像が不安でスキャンし続ける注意に、リスクのない着地点を与え、不安を回し続けるループを断ち切ってくれます。
ゾクゾクした感覚がなくてもASMRは不安に効きますか?
効きます。不安対策として大事な効果に、ゾクゾクは必須ではありません。頭皮のシュワシュワなしにリラックスと落ち着きだけを得る人は多く、研究で最も強い生理効果が出たのは反応者だったので、結果には個人差があります。囁き動画が合わなければ、タッピングや雨音、スライムや折り重なる模様のようなゆっくりした映像系トリガーを試してみてください。
不安なとき、ASMRはどう使うのがいいですか?
ヘッドホンで音量は低めに、声が気になるならカット割りやおしゃべりのないコンテンツを選び、最低10分は続けてみてください。ゆっくりした呼吸との組み合わせはさらに効果的です。吐く息を長くするか、先に短い4-7-8呼吸のセッションをやってから、ASMRに注意を預けましょう。不安がほとんど毎日生活に支障を出しているなら専門家へ。ASMRは音量つまみであって、治療ではありません。

著者について
Kurt Woleret
Contributing writer
Kurt is a New York based writer covering the practical science of stress, sleep and focus. He is the resident sceptic of the Journal: if a technique cannot survive a crowded subway commute and a deadline week, he is not interested in it.
Feel it for yourself.
Feelsy turns reading about calm into practising it. Two minutes of a slow texture is often the whole difference.
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